[タイトル]
Disney Alice in Wonderland
[出版社]
Parragon Book Service Ltd
[レベル]
6 level
(注:この本はGraded Readersとして出版されているものではなく、ペーバーバッグです。換算するならこのレベルだと判断しました。)
[感想]
2010年に、ティム・バートンが監督を務めた、ジョニー・デップ主演の映画『アリス・イン・ワンダーランド』の小説版です。
物語の冒頭のアリスには子どもっぽい自己中心的な部分や、弱さがあります。Underlandという不思議な世界で待ち望まれていたはずの彼女は、不思議な世界の住人から、「こんなのアリスじゃない」「これは違うアリスだ」とがっかりされてしまいます。しかし、命の危険にさらされながらも、そこにいる時間や経験はAliceを強く芯のある女性に変えていきます。彼女は不思議な世界の「英雄」たることができるのでしょうか…?
個人的には、赤の女王がどこか憎めなくて好きです。”Off with the head!(首をはねろ!)”が口癖の、残酷で横暴な独裁者である彼女ですが、大きな頭にコンプレックスをもっていたり、Aliceの正体に気づかずにお城で手厚く待遇してしまったりと、人間味のある部分が可愛らしく思えてしまいました。
こちらのサイト(http://aliceinwonderland.wikia.com/wiki/Glossary_of_Alice_in_Wonderland_Terms)に、Aliceの用語集がありますので読まれる方は参考にしてみてください。
[印象的な英語表現]
赤の女王と白の女王は姉妹なのですが、誰にでも愛されるよき為政者の白の女王に対して、赤の女王は嫉妬してこのようなセリフを言います。
“Oh, let her have the rabble!”
(ああ、愚かな民衆は妹につけばいい!)
letを使っているところが、赤の女王の中では「白の女王が民衆の気を引こうと画策している」と捉えているのかなと思いました。また、rabbleという語は民衆や大衆を指す中でも「暴徒、下層大衆」といったニュアンスがあるので、実際には民衆に慕われたいと思う気持ちがあるからこそ相反するひどいことを言ってしまっている心情が垣間見えます。
This elicited the snort from the Cheshire cat.
(このことにチェシャ猫はふんと鼻をならした。)
気に入らないことがあって、不機嫌に鼻を鳴らしたチェシャ猫を描写する表現です。このように表現するのが新鮮でした。
[投稿者]
きゅー
[ポイント数]
これまでの合計は 11ポイント (2016/12/28)