2015年6月29日月曜日

The enemy

[タイトル]
The enemy

[
出版社]
Oxford University Press

[
レベル]
6

[
感想]
イギリスで政府のスパイとして働く主人公Malcolmの大仕事の物語です。物語は,彼を1人称とした形で語られ,読み手をぐいぐいと引き込んでいきます。心情をあえて動名詞を使って表し,動きをよりダイナミックにするような表現も多く用いられるなど,主人公の心の動きに注目しやすい小説でした。
政治と科学のつながり,最先端科学技術を取り締まる法律はなく科学者のモラルに任せられるなど,あまり考えていないけれど考えてみると怖い内容も取り扱われています。恋愛,政治,陰謀…そのまま映画化することもできそうな多くの要素を巧みに取り入れた小説です。

[
印象的な英語表現]
I realized that Penelope Aston was becoming a serious part of my life.
was becomingという部分とA serious part という部分の2点で印象深い文章でした。あえてbecomeを進行形で使うことで,だんだんなっていくという動的なイメージを加えています。a serious partで“大事な人”のような意味になることにも驚きました。

As we drove to her home, my heart was like a singing bird and I realized the truth in all that the poet about love.
メロメロです。あまり表現しない気はしますが,日本人でも同じようなイメージを共有できそうです。

That evening Penny invited me to dinner in her new flat.  After dinner, as we were sitting having coffee, she said quietly,
 ‘When would you like us to get married, Malcolm?’
That night the coffee got split on the carpet, and I stayed for breakfast.
いわゆる,「事をなした」描写だと思います。英語で書かれたこのような表現はあまり見ることがなくて印象に残りました。

I think Penny is dying.
これも本来進行形にならない状態動詞が進行形になっています。この後も彼女は死んでいないので,この表現を用いることでより切羽詰った感じを表しているように感じました。


[
投稿者]
Miras

[
合計ポイント]
12
2015.6.29

0 件のコメント:

コメントを投稿