2015年5月17日日曜日

TIM VICARY: CHEMICAL SECRET

[タイトル]
TIM VICARY: CHEMICAL SECRET
[出版社]
Oxford Bookworms Library
[レベル]
LEVEL3

[感想]
 かつて化学者だった貧しいJohnはある日、塗装工場で廃棄物の安全性を調査する研究員として働くことになり、貧しい暮らしは一変しました。彼が調査するうちに、その工場が危険な薬品を川に排出していることが発覚。しかし工場長はその事実を否定し、公表すればJohnを解雇することを仄めかしました。自分に嘘を付いて今の暮らしを維持するか、事実を周囲に知らせるか…究極の二択を迫られた彼は、予想もしない意外な出来事から決断を下すことになりました。彼の行動が結果として娘を傷つけることになってしまったのです。
 仕事と収入をとるか、それとも自分を犠牲にしてでも人々や動物たちを守るか、Johnの心の動きが大変面白い作品でした。

[印象的な英語表現]
The pain will go in a day or two.
このような'go'の用法を知りませんでした。難しい単語を使わずとも基本的な単語で十分伝わることに驚きました。

[投稿者]
りんりん



[タイトル]
Chemical Secret

[出版社]
OXFORD

[レベル]
3

[感想]
妻も仕事も失い、二人の子供を抱え貧しい生活を送っていた主人公ダンガン。やっと再就職できた会社はペンキを作っている化学工場で、工場の化学廃棄物を川に捨てている、というところでした。化学廃棄物のせいで川に住んでいたアザラシの奇形児も発見されたりして悪いと分かっていても、良い生活を維持するために告発などはしませんでした。その結果娘は離れていき、悪行も暴かれ一気に地獄へと突き落とされます。

[印象的な英語表現]
There are two ways of committing a crime. You can do it with your eyes open, or you can do it with your eyes closed.

この本の没頭の文です。二つの方法のうち、主人公ダンガンは目をつぶって罪を犯してしまいました。

[投稿者]
ゆい




[タイトル]
CHEMICAL SECRET

[出版社]
OXFORD BOOKWORMS LIBRARY

[レベル]
 3

[感想]
Johnという男性が主人公の物語。妻に先立たれてしまい、貧乏な暮らしをしていたJohnと彼の娘と息子。子供達の幸せを思う彼が新たに手にした仕事は稼ぎこそいいものの、環境を破壊してしまうものだった。この物語は子供の幸せのためにせざるを得なかった仕事のために、逆にJohnと子供達の関係にヒビが入ってしまうという、読んだ後非常にやるせない気持ちになるものでした。また、最後のページの挿絵はJohnの悲壮感がひしひしと伝わって来る、そんな絵でした。ですが、英文を読んでこんなにも自分の感情が揺れ動く作品は珍しいので、ぜひ読まれることをオススメします。

[印象的な英語表現]
He sat and looked at the cold, grey sea for hours, every day.
Johnが職を失い、娘からも関係を絶たれ、一人老後を過ごしている場面です。特にgrey seaというところが気になりました。海がgreyに見えるのは、Johnが廃棄していた汚染物質が海を汚しているということなのか、もしくはJohnの燃え尽きて灰のようになった心の色を海にうつしているのか、いろいろな考えが浮かんできました。含みのある表現だなと思いました。

[投稿者]
Gachiko




【感想】
主人公の生物学者ダンカン氏と再就職先で起こったある塗料の汚染問題を軸にした物語です。貧しい暮らしから一転、化学工場で働くことにより豊かな生活を手に入れたダンカン氏は、自分たちが川に流していた廃液の危険性を知っていながら、それを黙秘していましたが、のちに娘がその汚染物質が流れた川に溺れるという事件が起こり、ダンカン氏は、自分と大勢の人々の職と未来、あるいは娘と新しい命どちらが大事なのか糾弾されます。ダンカン氏の身の回りで転々とする状況に圧倒されました。

 【印象的な英語表現】
But his eyes watched John carefully, all the time, like the cold eyes of a fish.

ダンカン氏が記者を目の前に糾弾されるシーンの一部です。日本でも生気のない瞳のことを「魚のような目」と例えますが、このような状況で使われると緊張感が一気に増します。

【投稿者】ちこ

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